妊娠期のフィジカルアセスメント~妊娠期の経過診断~
前回、妊娠期のアセスメント事例を載せましたが、
基礎情報以外にも基礎知識がないとアセスメントは難しいと思います。
そこで、今回は助産の妊娠期の経過診断に必要なフィジカルアセスメントの部分を
記述していきます。
まず初めに、血液に着目した内容です。
1.血液成分の妊娠期の変化や推移、正常値について
A) 赤血球
妊娠中、赤血球(RBC)は増加します。
一方で、血中Hb濃度、ヘマトクリット値は減少します。
この理由は、生理的循環血漿量の増加するためです。
どんなに赤血球がつくられても、水(血漿)で薄められたら、濃度は低くなりますよね。
赤血球の基準値です。
赤血球数(×10.4/μℓ) 基準値【平均 380】 備考:非妊時より19週まで徐々に低下
ヘマトクリット(%) 基準値【平均33~38】 備考:妊娠性貧血の診断基準33%未満
ヘモグロビン (g/dℓ) 基準値【平均10.5~13】備考:妊娠性貧血の診断基準11g/dℓ未満
病的変化
妊娠中、母体および胎児血の合成のために余分に必要な鉄の量は
妊娠全体を通じて約1gに達します。
妊娠中に鉄摂取が十分でないための貧血・鉄欠乏性貧血の頻度は高くなります。
B) 免疫能と白血球
妊娠中、母体の免疫能は抑制傾向を示しめします。
末梢血の白血球数は増加し、免疫能の一部を担う補体も増加を示めします。
妊娠中に免疫が抑制される理由として色々な説がありますが、
胎児を異物として認識させないようにする免疫寛容が考えられています。
免疫寛容(めんえきかんよう、英語: immune tolerance / immunological tolerance)とは、特定抗原に対する特異的免疫反応の欠如あるいは抑制状態のことを指す。
https://ja.wikipedia.org/wiki/免疫寛容
白血球の基準値です。
白血球数(×10.4/μℓ) 基準値【5000~15000】 19週まで7950±1700
病的変化
母体の免疫能の低下のため、感染症への抵抗力が減弱し、重症化しやすい傾向がある。
C) 血小板
妊娠中の母体の血小板は不変、または軽度減少するのがふつうである。
妊娠中は胎盤循環などにおいて血小板消費が亢進し、より未熟で大きい血小板の割合が増加する。また血小板産生は増加する。
妊娠中の血小板代謝は産生と消費がともにバランスを保っている。
血小板(×10.4/μℓ) 基準値【15~35】
病的変化
妊娠高血圧症候群では末梢血管内皮傷害などのために血小板消費が増大し、急速な血小板減少する可能性がある。
以上、今回ここまでにさせていただきます!
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